ファンダメンタルズと経済~ロシア危機その2~

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ファンダメンタルズと経済~ロシア危機その2~

起こるはずの無いロシアのデフォルトが起こってしまった結果、ヘッジファンドが破綻しました。

たかだか1つのヘッジファンドの破綻がきっかけで世界経済を世界恐慌になり掛けるまで落とし込んだ「LTCM」とはどのようなヘッジファンドだったのでしょうか?

LTCM(Long Time Capital Management)は1994年に運用を開始しました。
ノーベル経済学賞受賞者の「マイロン・ショールズ」「ロバート・マートン」さらに、アメリカの中央銀行FRB(連邦準備制度理事会)の副議長を務めた「デビッド・W・マリンズ」等、経済界の著名人が参加していた為、ファンド立ち上げにおける史上最高額12億5000万ドルものお金を集めました。
その運用方法は、リスク商品の適正価格を見抜きそれよりも安く取引されている債権や株を買い・逆に高く取引されている物を売る事を行っていました。
この適正価格を割り出すのに使用されたのがノーベル経済学賞受賞者2人が考案したブラック-ショールズ方程式です。
イタリアやスペインなどの経済が上手くいっていない国の国債を買い、アメリカやドイツなどの経済が上手くいっている国の国債を売っていました。

この運用が上手くいき開始から4年間で資産を4倍に増やすことに成功し、更なる発展を遂げるかに見えましたが、ブラック-ショールズ方程式には欠点がありました。
それは”人間の心理”を一切考慮していなかったのです。その為、世界経済が安定している時はとても正確な価格が割り出せるので4倍にも増やすことが出来たのですが、1997年~98年のアジア通貨危機からロシア危機の世界経済が混乱期に入ると世界中の投資家達がパニック状態に陥り売りが売りを呼ぶ状態となりました。
この為、世界の投資家達はリスクに敏感になり経済の上手くいっていない(あまり信用の高くない)国から資金を引き上げ、経済の上手くいっている(信用の高い)国の国債を買い始めました。
つまり、LTCMの行っていた取引が全て裏目に出てしまうことになり、破綻寸前にまで陥ってしまいます。

ごく平凡なヘッジファンドが破綻の危機になっても、世界恐慌は起こりませんが、LTCMには、アメリカを代表する多くの銀行や証券会社などが1000億ドルものお金を投資していました。
さらに、LTCMと同じようなやり方で、自分で運用も行っていた為、投資したお金は返済されず更に自分で運用していた方も大損害を受けました。
その結果、金融機関の経営不安の噂が広まり株が大量に売られる事になりました。

また、デリバティブによって世界中の金融機関と1兆ドルもの膨大な金額の取引を行っていたLTCMが破綻してしまうと、1兆ドルにも及ぶ取引相手が突然いなくなり世界中の金融市場がパニック状態に陥ってしまう深刻な問題もありました。
当時の世界経済はアメリカ以外の国は上手くいっていませんでした。つまり、世界経済はアメリカがかろうじて支えていた状態です。そこに来て金融機関のを中心に大量に株が売られたため、アメリカの株価が急落しアメリカでバブル崩壊の危機すら出始めました。
そこで、アメリカの中央銀行は金利を毎月切り下げて市場に安心感を与え、株価の下落を抑えることに成功しました。
そして、ニューヨーク連邦準備銀行が中心となり、LTCMが破綻するとこまる金融機関を集め、破綻を防ぐ必要最低限のお金を新たに投資することで、LTCMの破綻を防ぎました。
その後、LTCMは最低限の資金で、最低限の仕事(1兆ドルの取引など)を行い、最終的に解体されました。LTCMはロシア危機の大損害の時点で事実上破綻していたわけです。

ロシア危機後のロシア経済は、1999年から世界経済が上向きに転向し石油価格の上昇に伴い安定していきます。
しかし、ロシア経済は相変わらず石油に大きく依存している為、石油価格の大幅な下落が起きると第二のロシア危機が訪れるという危険をはらんでいます。
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